箱
なんとなく憂鬱な日々が続いていた。お風呂に入っても 散歩をしても バッチリ化粧をしても、なんとなく気持ちが晴れなくて。とりとめのない不安に駆られていた。
息がつまる思いがした。なぜか分からないけど苦しい。
生活に不満はないはずだから、余計によく分からない。ご飯は食べられる。夜は寝られる。支えてくれる友人やパートナー、家族もいる。これほど恵まれたことはないだろうと思う。
だけれどなぜだか私は苦しい。
そんな日々の中、無力感に流されながら床に転がってスマホの画面を見る夜が続いた。とにかく画面をつけたり消したり、時間を浪費していく。なんの意味もないけど、そうするしかなかったのかもしれない。
ある時私は急に気付いた。これは、焦りなんだ。私は何かもっとやらなきゃいけないことがあるのに、それから逃げてばかりだから、気持ちが焦っているんだ。
焦燥感。まさに私の気持ちにぴったりだった。
不安は、焦りからくるんだと知った。
焦りとうまく付き合っていけば、こころ穏やかに過ごせるのかもしれない。もっとちゃんと、自分の本当の気持ちに向き合うことが必要なんだと。気付いたのはもうずいぶん前になるけれど、まだうまくできるようにならない。試行錯誤の途中。